これまでを振り返って#13
これまでを振り返ってみようシリーズ第13回目です。
『ハーバードの人生を変える授業』の本の内容を補強したり,各章を関連付けたり,脱線したりしたいと思います。
前回はこちら「これまでを振り返って#01,#02,#03,#04,#05,#06,#07,#08,#09,#10,#11,#12」
今回は,<13.価値ある行動をする>で登場した80対20の法則について,リチャード・コッチの『人生を変える80対20の法則』のなかから,<第9章 自由であること>と<第10章 時間革命>を取り上げます。
80対20の法則とは?
|
著者は,80対20の法則について,以下のように述べています。
80対20の法則とは,原因,投入,努力のごく一部が,結果,産出,報酬のかなりの部分をもたらすという法則である。たとえば,仕事の成果の80%は,費やした時間の20%から生まれる。
私たちは,原因と結果は釣り合い,投入と産出は釣り合うと考えがちであると普通考えています。しかし著者は,その考え方は不正確で有害で,しかも根深い迷信だと述べています。
なぜなら,原因と結果のデータを検証し,分析してみれば,ほとんどの場合,大きな不均衡があることに気づくからと。
確かに,50の労力で50の成果が得られるよりも,20の労力で80の成果が得られる方が仕事にしろ,日常生活にしろ目覚ましい改善が得られるはずです。では,どのように80対20の法則を活用すればいいのでしょうか?
80対20の法則の利用法
著者が提案している利用法は2つ。80対20分析と80対20思考。
- 80対20分析
原因と結果,投入と産出,努力と報酬の関係を正確に見極める数量分析のこと。また,比較可能な2つのデータの関係を検証するもの。この80対20分析の性質は,「正確・量的・調査が必要・真実がわかる・効果は絶大」である。 - 80対20思考
自分にとって重要な問題をじっくり考え,80対20の法則が通用するかどうかを見極めること。法則が通用すると思えば,それに基づいて行動する。この80対20思考の性質は,「曖昧・質的・思考が必要・知恵が生まれる・効果は絶大」である。これは,少数の決定的に重要なことに注目し,枝葉末節は切り捨てる。要するに大局的見ること。
80対20の法則を生活に取り入れる
著者は,80対20の法則を個人の生活に活かすヒントを12個あげていますが,ここでは5個紹介します。
- やるべきことを見つける
あれこれ手を出してしまうと,せっかくの才能が生かせない。 - 重要なターニング・ポイントに気づく
自分が幸せになり,生きがいを感じられる選択をする。 - 自分に有利な勝負の場を選ぶ
もっと努力しようと思うよりも,正しい相手,正しい味方,そして正しい方法を選ぶ。 - 目的が何なのか,真剣に考える
選択眼を持ち,こうと決めたら貫き通す。戦力を一点に集中する。 - 幸せ筋肉を使う
80対20思考をできる人は,何が幸せを生み出すか知っている。常に意識して,楽しく幸せを追い求め,今日の幸せを使って明日の幸せを築き,明日の幸せをおきくしていく。幸せの場合、今日使わない幸せが、明日の幸せになるわけではない。幸せは筋肉や頭と同じように、使わなければ衰えていく。
80対20の法則を時間に適用する
著者は,時間の使い方に80対20の法則を適用した場合,「大事なのは,時間をうまく管理することではない」と述べています。
時間管理は,詰め込みであり,特にビジネスマンに,少ない時間で多くの仕事をこなせと圧力をかけているに過ぎないとも述べています。
では,大事なのは何か?それは,「どういう人生を送りたいのか」ということだそうです。
著者は,時間革命起こすことを提案し,7つのステップを紹介しています。
- 頭を切り替え,努力と報酬は別物だと考える
- 罪悪感を捨てる
- 押し付けられた仕事から自分を解放する
- 常識にとらわれず,柔軟に時間の使い方を考える
- 80%を与えてくれる20%が何かを見つける
- 80%を与えてくれる20%に使う時間を増やす
- つまらないことはやめる
この7つのステップは,著者も認める難しさ。
革命は生易しいものではない。茨の道で,危険もある。革命を起こす前に,大きなリスクが伴うこと,海図がない大海原に乗り出すことを肝に銘じておかねばならない。
と述べています。
幸福の島を見つける
わずかな時間で普段の何倍もの幸福が味わえることを思いつきますか?
反対に,不幸になってしまいそうなことを思いつきますか?
- 紙とペンを準備し,紙の一番上に,「幸福の島」というタイトルを書く。
- タイトルの下に,思い出す限りの至福のときを書き出す。
- リストアップした「幸福の島」に何か共通点がないかを探す。
人生の目的と一緒に1日を過ごしてみる
『ハーバードの人生を変える授業』の<13.価値ある行動をする>中でも,「自分が大切にしている価値観に基づいて生きているか考える」というリフレクションの項目がありますが,「どういう人生を送りたいのか」につながるものがあるのではないかと思います。
『ハーバードの人生を変える授業』の<01.感謝する>では,感謝ノートをつくって,1日の終わりに感謝できることを振り返っております。
もう少し時間が取れるのであれば,1日の始まりに,「今日はどんな1日にしたいのか」を,自分の人生の目的を確認してから,人生の目的と共に行動してみるのはいかがでしょうか?
ここでの登場人物
- リチャード・コッチ