感情を表現する
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自分の感情を素直に表すことができますか?感情を隠したり,抑えたりしていますか?
著者は,子ども時代や若いころに身につけた考え方により,私たちの多くが素直に感情を出せないと述べています。
たとえば,
- 男の子なら泣いてはいけない。
- 他の人が持っているものをほしがってはいけない。
- 自分の気持ちを言葉や態度で伝えようとする際に神経質になってオドオドするのは恰好悪い
など。
著者は,気のおけない友人に話しをすることや日記を書く,自助グループに参加するなど,できるだけ感情を表に出すことを進めています。
さらに,
このワークは,感情を持つことを許すためのワークです。(中略)感情を理解したり,変えようとしたりするのではなく,あるがままに受け入れ,その感情に寄り添うようにしてください。
と著者はすすめています。
さらに,セラピストのタラ・ベネット=ゴールマンの言葉も引用しています。
しっかり向き合うということは,物事を何も変えようとせず,あるがままに見ることです。その時に感じていることを否定したり,感情を遮断したりしないでください。つらい感情に焦点をおき,開かれた心で受け入れ,しっかり味わうことで,そのつらさを解消することができるのです。
リフレクション
幼いころ,感情を表現するように,または抑えるように言われた経験はありますか?感情を表現するにはどんな方法がありますか?
- 自分の感じていることにしっかりと向き合う時間と場所を選ぶ。
- できるだけ深く静かな呼吸を続ける。
- 体の特定の部位に変化があったら,その反応に注意を向ける。
- 他のことを考えてしまったときは,想像したり感じたりしていることに静かに戻って呼吸を続ける。反応を変える必要はない。
- 感情を味わうために,緊張した場面や悲しい場面を想像してみる。
- 感情が出てきたとしても,そのままにする。
おすすめの本
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人生における目標の決め手となる責任感。 - 相互作用的属性
環境や周囲の人たちとのかかわりを通して現れる。 - 主体的属性
個人のアイデンティティを大きく発展させ,何らかの自己表現をもたらす。
4つの属性は単独の場合もあれば,複数の場合もあります。
自分自身のポジティブさを表現したいときに,色々な表現の仕方を知っておくことで感情の幅が広がるだけでなく,周りの人の機微にも触れることができます。ネガティブ編もありますが,それもおすすめです。