心理学

24.解釈を変える

Image by Gerd Altmann from Pixabay

考え方のクセを見直す

  • ハーバードの人生を変える授業
  • タル・ベン=シャハー(著)
  • 成瀬まゆみ(訳)
  • 大和書房(だいわ文庫)
  • 2015年01月

 過去を振り返ってみて,過剰に不安になったり,失敗を恐れて動けなくなったりしたことはありますか?

 ある出来事に対して,そのことについて考えてから解釈し,出来事に反応した結果が感情として現れます。しかし,その感情がときには爆発してしまい,怒鳴り散らしたり,身動きが取れないほど緊張してしまうことがあるかもしれません。

 そんなときは,自分の考えが極端な解釈をしていないか,立ち止まって考えなおしてみてください。私たちは不合理な考え方をしてしまう,言い換えるなら,思考のクセ(認知の歪み)により極端な解釈をしているかもしれません。

 歪んだ考えを取り除き,現実感を取り戻す。出来事に対する考え方を変え,違ったように感じるようにする療法を認知療法といいます。

著者は,

 激しい思考の歪みは,失敗への不健全な恐怖心を生みます。合理的な思考は状況を見直し,健康的なチャレンジ精神をもたらしてくれる。

と述べています。

リフレクション

 あなたがこれまでに,激しい感情的な反応を起こしたときのことを思い出してください。
あなたの反応は適切なものでしたか?
その状況に別の解釈はできますか?

PRP法を使う
  • 最近の腹が立った出来事や,将来の心配事を思い出す。
  • Permission:自分が人間であることを許し,起こった出来事とその時に感じた感情をあるがままに認める。
  • Reconstruction:その出来事がもたらした,良いことは何かをじっくりと考える。
  • Perspective:一歩引いて,その状況を広い視野で眺める。

  • Permission
     信頼する人に話す,または書き出す。そのときは,実際に今起こっているかのように感じるとよい。落ち着いた場所で,必要な時間を取る。
  • Reconstruction
     楽しいことではなかったかもしれないが,それによって何かいいことはなかったか,新しいことが学べなかったか,今あるものに感謝できなかったか考える。
  • Perspective
     その経験を大きなスケールで考えきれないか,1年後の自分がその状況をどう考えるかを考える。

PRP法は順番にやる必要はありません。順番は自由です。

おすすめの本

  • マンガでやさしくわかる 認知行動療法
  • 玉井仁(著)
  • 星野博文(シナリオ),深森あき(画)
  • 日本能率協会マネジメントセンター
  • 2016年04月

 認知と行動の心理療法についてやさしくわかる本。現在では,認知療法と認知行動療法はほぼ同じ意味で使用されることが多いそうです。

 この本は,マンガでやさしくわかるだけでなく,フローチャートで本全体の流れを示してくれたり,状況確認・思考記録・問題解決を手助けしてくれる表もあります。

 その中から,Part2の「考え方のクセをつかんで,新しい考え方を手に入れる」をご紹介。

 人それぞれに特有の考え方のクセがあります。体調を崩してしまったり,動揺してしまったときに特に出てくるのではないでしょうか?そんなときは,どんな考え方のクセが出てきているかという視点で見てみることをすすめています。

 また著者は,

 クセは単なるクセであり,問題ととらえる必要はありません。ただクセを明らかにすることによって,そのクセの強さを適度に緩められるようになるのです。

と述べています。そのクセを10種類紹介しています。

さまざまな考え方のクセ
  1. 白黒思考
  2. 過度の一般化
  3. 心のフィルター
  4. マイナス化思考
  5. 結論に飛躍
  6. 拡大視・縮小視
  7. 感情的理由付け
  8. 「べき」思考
  9. レッテル貼り
  10. 自己関連付け

 今回のワークで使用したPRP法とセットで使用することで,新しい視点を得ることができると思います。

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