よりよく出来事を解釈のために
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過去の起こった出来事に捕らわれてますか?それとも活かしていますか?
著者は,幸福について
人生における客観的な出来事で決まるのではなく,出来事のどのように解釈するかという主観的な心の働きによって決まるもの。
と述べています。
同じ出来事,例えばスポーツで勝利したことや達成できたこと,また成績が悪かったことやうまくいかなかったこと。これらに対して,できなかったことや自分自身を責めるのか,それともその経験を活かすように行動する,どんなことを学べたのかと考えるといった解釈によって意味が変わってくるとも述べています。
さらにポジティブな面に焦点をおくことを学んだ人たちを
最高の出来事が起こるのではありません。起こった出来事を最高のものにできる人。
と表現しています。
リフレクション
あなは「いいこと探しの名人」ですか,「あら探しの名人」ですか。人生のどういう分野においてなら,「いいこと探しの名人」になれるでしょうか?
- いままでの人生の出来事を書き出す。
〇 はじめは「あら探しの名人」として。
〇 次に「いいこと探しの名人」として。
- 欠点を見つける。
- 動転したこと,つらかったことに目を向ける。
- 失敗がずっと続くと思う。
- うまくいった部分を見つける。
- 成長できたこと,次に活かせることに目を向ける。
- 失敗は偶々だと思う。
おすすめの本
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論理療法(理性・感情・行動面での問題を改善する療法)について詳しく,書かれた本。非合理的な考え方,言い換えるなら思い込みを発見して,反論し,退けることが全体を通じてまんべんなく書かれています。
そのなかで,第3章の「ABC理論」と第4章の「5つの自己変革の発想」についてご紹介。
ABC理論は,
自分の思考能力を使って,自分の「思い込み」を再検討し,自分の絶対的要求や命令が自滅的な感情や行動を形成していることを理解し,それらを誇大で非現実的な命令から,元の単なる好みや望みに戻すこと。
と述べられています。
ABC理論にさらにDとEを加えて,ABCDE理論と呼んでいる本もあります。このABCDEは,
- Adversity:出来事や逆境のこと。
- Belief:信念や考えのこと。非合理な思い込み。
- Consequences:逆境や非合理的な考え方がもたらす結果。
- Disputing:反論のこと。間違った思い込みを認めて,健全で合理的な考えになるまで続ける。反論には,現実的・合理的・実利的反論がある。
- Effective:効果的な,新しい考え方のこと。反論より得られる答え。
と説明されています。
第4章では,自分でできる自分を変えるための重要な考え方を提示しています。
著者の伝えたいことは,
あなたは自分の情緒的な問題を,自分で確実に解決することができる。何から始めればよいかというと,建設的な態度を持つことから始める。自分ができると思えば,自分を変えることができる。
ということ。
- 自分を不幸にさせているのは主に自分である。だから自分の不幸を止めることも自分でできる。絶対にできる。
- 自分の間違った思い込みは,自分で変えることができる。
- 人は明らかに誤りをおかすことがあり,自分を簡単に不幸に落とし入れてしまう。けれども,同時に人は自分の思考,感情,行動を変えることで,自分の不幸を減らすこともできる。
- 情動的動揺は,自分の思考,感情,行動で変えることができる。
- 自分の動揺を減らすためには,継続的な努力が必要である。
その他にも印象深い内容は,
100%悪いことはない。なぜならそれよりも悪いことが今後起こるから。
もしそれが本当に100%悪いのなら,今後それ以上に悪くなることはない。
という,トンチみたいな内容でした。
自分の思考,感情,行動を捉え直してみませんか?