現実を受け入れる
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どんなことでも,やるなら完璧を求めますか?思い通りにいかないと,イライラしますか?
著者は完璧主義と最善主義の違いについて,
前者は,現実を拒絶する考え方。失敗というものがなく,痛みがない世界
後者は,現実を受け入れる考え方。失敗は人生の自然な一部であり,成功につながる欠かせない要素。
としています。さらに,
完璧主義者の否定は,非合理的で非現実的な成功の基準を設けることになる。
最善主義者は,失敗を楽しむまではできないにしても,自然なこととして受け入れ,心配をあまりせずに活動を楽しむことができるとも言っています。
ここで面白いのは,リフラクションの問いかけです。はっとする問いかけだと思います。
リフレクション
生活の中で,あなたが最善主義になりやすい分野はありますか?完璧主義になってしまいがちな分野はありますか?
最善主義を身につける
- 生活の中で,「完璧主義」と「最善主義」のどちらかの考え方にしたがって行動した経験について書き出す。
- 完璧主義者のような行動をとっていたのなら,最善主義者のように考えていたのなら,どのような行動ができたか書き出す。
完璧主義者
- 失敗を拒否する
- つらい感情を拒否する
- 成功を拒否する
- 現実を拒否する
最善主義者
- 失敗を受け入れる
- つらい感情を受け入れる
- 成功を受け入れる
- 現実を受け入れる
おすすめの本
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セルフ・コンパッションは,自分への思いやりや自分自身への慈悲などといった意味です。このセルフ・コンパッションについては,「甘やかしになる」や「怠惰を助長する」といった意見が出てくるそうです。しかし訳者は,セルフ・コンパッションについて,
自分への思いやりのプロセスのあとに自分の人生をどう生きたいか,行動を起こすように仕向ける動機づけの要素を含んでいる
と言います。
私のおすすめは第3章と第8章。
第3章で具体的に自分にやさしくすることの効果やエクササイズがあります。特にエクササイズ2の「批判的な独り言を変える」はおすすめ。
第8章では,やる気と個人の成長について,自己効力感,マインドセットや動機づけと絡めて話が進んでいきます。
また随所に,著者の「私の物語」があり,参考になります。